思いやり

<心に響いた「たった一言」>
『お先にどうぞ』


<「たった一言で」エピソード>
8月2日。古い水道管の破損が原因で住まいの地域一帯が断水した。
公民館に給水車が来るという行政放送を聞いて、
私も慌てて20リットルのポリ容器を準備して自転車で駆けつけたが、
すでに給水車には長い行列ができていた。

順番がくるまで少しずつ減っていく水を恨めしく思いつつ、
不安そうに給水口を見つめる。

行列は左右に大きく歪み、誰もが一滴でも多く水をもらおうとして
いるように見えた。
そして、私まであと5、6人となったところで
役所の人が申し訳なさそうに言った。

「あと20リットル足らずになりました。
 すみませんが次の給水車が来るまで約2時間程度ご辛抱ください」

私も含めてそこにいた誰もが深いため息をついた。
その時、

「お先にどうぞ」

(えっ!?)

意外な言葉に一瞬耳を疑った。
それは20歳ぐらいの青年から、
彼のすぐ後ろでやかんを持って待っていた老婆にむけて発せられた
一言だった。

「僕はバイクに乗れるし、また後で出直してきますから」

老婆は思いがけない言葉に少し戸惑っていたが、

「歩いてきたので助かります。ありがとうさんです」

と頭を下げた。
この光景に、断水という不足の事態に神経を尖らせていたみんなの
表情が緩んだ。

『お先にどうぞ』

短いけれどなかなか使えない言葉をさらりと言ってのけた青年に頭の
下がる思いだった。
そして、自分のことばかり考えて、我先にと行列に並んだ自分の行動が
とても恥ずかしかった。

断水の危機を落ち着いた気持ちで
乗り切ることができたのもこの出来事があったからだと思う。
本当に素晴らしい魔法の言葉だった。

プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動より

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